「2020年度六甲高山植物園 後期写真コンクール」にご応募いただき、誠に有難うございました!!
今年は開園中にコロナ禍に見舞われ、臨時休園を余儀なくされました。前期の審査も中止になり、今年はご応募いただく作品も少なくなるだろうと思っておりましたが、今回56名215もの作品を応募をしていただきました!作品は年々レベルが上がっており、白熱した難しい審査ではありましたが、その中から入賞いたしました作品10点を発表いたします♪
今回、審査にご協力いただいた、日本山岳写真協会関西支部副支部長・堀口裕央先生、展示委員・浅生稔先生、お二人の講評も掲載いたします。
※写真は10月31日(土)~11月23日(月・祝)まで西入口近くの小屋で展示しております。
大賞

「瑠璃玉」 石原 高夫
球状の花がすべて咲きそろった一瞬しかないタイミングを捉えた素晴らしい作品。背景の緑が美しく、被写体となる花が浮き上がって見える点もよい。飛んでいる蜂を入れることで動きのある作品に仕上がっている。
優秀賞
「仰ぎ見る」 有瀬 清美
夏の高原の雰囲気が出た六甲高山植物園らしさをうまく掴んで描写している。空の青と森の緑、ニッコウキスゲの黄色がよく合わさり爽やかにまとめている。花のアップの作品が多い中で下から見た構図が大胆で作者のセンスと技量の高さが窺える。

「サラサドウダン」 吉野 菊夫
1か月半の臨時休園後に駆けつけていただいたのだろうか。熱意を感じる作品である。咲きたての花をうまく被写体として選んでいるため、フレッシュさがよく表現されている。シンプルな構図ではあるが、花弁の更紗模様を余すところなく捉えたよい構図である。

「霧のしずく」 黒田 司
花弁についた水滴がみずみずしさをよく表している。花とつぼみの配置にリズム感があり、組み合わせのいい構図になっている。背景が緑のグラデーションなのもシンプルで主題を引き立たせるのに一役買っている。

入賞
「今年の打上花火」 加藤 理子
花をクローズアップした写真が多い中で異色を放っている。作者の着眼点が新鮮で今までにない新しい傾向である。ともすると単調になりがちな難しい主題であるが、デザイン的に切り取っている。タイトルも今年ならではで面白い。

「小さき星の形して」 原 俊彦
まるで生け花のようなバランスのいい作品。背景の暗さと花の白さから主役が浮き上がって見える。ピントも花の黒い斑点に至るまで合っていてコントラストもいいことから全体的にパッキリとした印象にまとめている。

「今年もこの花に」 仙崎 幸子
蝶の飛ぶ瞬間を捉えた動きのある作品。花にも蝶にもピントが合っていて素晴らしい。程よくぼかした背景が園内の様子をうまく表していて秀逸。アサギマダラが飛来する一瞬のチャンスを狙った意気込みを感じる。

園長賞
「幸せを呼ぶブルービー」 依藤 裕明
ピントがよく合っていて背景がシンプルなため、まず鮮やかな青い蜂に目が行く。決定的な瞬間を逃さず捉えた作品。背景のボケたマツムシソウも群生感が想像できるためよいアクセントになっている。

アジサイ賞
「従容」 藤川 正規
シチダンカの清楚で優しい感じをよく写している。背景のキラキラした玉ボケも木漏れ日の様子がわかってよい。葉に映った花の影もデザイン的でセンスを感じる。

ツリフネソウ賞
「おじゃまします。」 高田 拓治
明るい画面でまとめられた清清しさを感じる作品。ツリフネソウはアングルによって表情の変わる難しい花であるが、本作はとてもうまく切り取っている。動きのある蜂をアクセントにしているのもよい。

入賞作品は以上です。
ご応募いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
写真コンクールは来年度も開催予定です。
来年も皆さまの力作をお待ちしています!