素材や製法、景色との調和などにも着目して、芸術家になった気分で作品をめぐってみるのもおすすめです。作品の背景にあるストーリまで想像してみたくなりますね。半日でも楽しめます。
風の教会
まずはイチ押し作品へ直行。
会場は建築家・安藤忠雄の初期代表作。
作家のさわひらきは会場の備品で彫刻を作り、
そこに4点の映像作品を組み合わせてインスタレーションを構築した。作品と空間が響き合い、観客を異世界へと誘う。
今年の「六甲ミーツ・アート」の白眉。
さわひらき「absent」
笠井佑輔「動物たちも景色を見ている」
天覧台
TENRAN CAFE
六甲ケーブル山上駅に隣接するカフェに設置された作品。
登山者が下界を見下ろす様子を動物たちが真似ている。
シンプルかつ愉快で、彼らと記念撮影したくなる。
六甲山カンツリーハウス
表良樹の作品は、山の形をした金属オブジェと、
それを茨城県〜六甲山までの
道中で撮影した写真の組み合わせ。
そしてこの展示自体が背景の山を借景にしていて、
写真作品とダブルイメージになっている。
表良樹「旅する山」
久保寛子「やさしい手」
久保寛子の作品は、天地創造の一場面みたいな神々しい情景。
なのに素材がブルーシート。そのギャップが面白い。
平井里奈の作品は、画面中央の木から落ちた果実みたい。
でも作品の表面を見ると、同心円の模様が入っていて
呪術的な雰囲気も感じられる。
平井里奈「陶の森」
釜本幸治「浮標-淡い寄る辺-」
葉栗里の作品は、頭部が松ぼっくりで胴体が陶芸。
森の妖精たちが集会をしているみたいで、
展示場所(六甲高山植物園)とのマッチングが素晴らしい。
葉栗里「そのさきに」
六甲オルゴールミュージアム
森の中にひっそりとたたずむ卵型のオブジェ。
石積みはドライストーンウォーリングという英国式伝統工法を採用しており、廃棄物を出さないエコな作品だという。造形的に美しく、環境との調和も素晴らしい。
榮建太郎「いしのたね」